夜中に雨音で目が覚めた。近くには沢はないので沢の音ではないはず、ところが波が押し寄せるように時々ザーという音がした。雨だ。今日も雨か。と落胆。ベッドの中でじっと夜が明けるのを待った。明るくなって外をみると案の定、しっかりとした雨が降っている。いろいろと対策を考えた。今週は休みなのでもう一日ここに逗留する、この施設の車で小出まで送ってもらう、サポートカーに乗る、などなど。同宿の方々とも同じようなことを話していた。
ところが、朝食の後でガイド氏が参加者に聞くとほぼ全員がこのまま走って帰る、と意志表示。昨日の雨ですっかりと雨と仲良しになってしまったらしい。数人はサポートカーに乗ることになったが他は予定通り。
そうこうして出発の準備を始めるとなんと雨が上がってきた。
一旦は着けた雨具を再びしまって出発。今日でツアーは終わる。ツアーは小出から浦佐に出て越後湯沢で解散の予定。私は小出で皆さんと別れて別行動の予定。ツアー最終日の朝はそれぞれ記念の写真を取り合った。
出発するとすぐに枝折峠への登りが始まる。登るにつれて昨晩宿泊した銀山平が一望できるようになった。(写真左) 山の緑にかこまれた小さな盆地状のここはログハウスと合間ってチロルみたいだ。ちなみにここは雪のために年の半分しか営業できないそうだ。枝折峠までは260mの登り。ゆっくりと景色を見物しながら名残惜しみながら登った。
ほどなくして枝折峠。小出から上ってきたローディーが二人いた。小出からだと25Km,900mの登りになる。直下は15%位のところもあった。
枝折峠で休憩後は352をひたすら下る。慎重に下る。このころは青空になった。雄大な山々を見ながら25kmほど快適な下りを楽しんで小出の道の駅「ゆのたに」で昼食。
ここでツアーから離脱。皆さんとは別れを惜しんで一人で小出駅に向かった。
小出駅からはこれも楽しみにしていた只見線。別に鉄道マニアではないが乗ってみたかった。13:17発の会津若松行。2輌編成のジーゼル車。小出駅で輪行バックをかかえた男性と遭遇。彼は山形からきて同じ会津地域を走って帰る途中とか。同じ席に座ってしばし歓談しながら車窓を眺めていた。
只見線沿線はまだ紅葉は始まってない。ここは2年前の同じころに山岳会OBと一緒に車で走ったことがある。あの時は浅草岳を目指したが雨で断念した。会津での経験は雨が多い。
今夜の宿は只見駅前にある民宿を予約してある。その只見を通り越して会津大塩で下車した。周囲は畑。その畑の中にホームと掘立小屋のような駅舎があるだけ。もちろん無人。こんなところで自転車のメカトラブルがあったら大事になる。そんな思いで少し不安になりながら自転車を組み立てて走り始めた。今度は電車とは逆方向で只見駅に国道252を戻った。
252は只見線に沿って会津と小出を結んでいる。走り始めてすぐに感じた。これはいい。もちろん交通量は非常に少ない。時々集落が現れる。常に只見川が並行している。この只見川は広くゆったりと流れている。人工物は少しの民家のみ。目障りな看板は皆無。実にのどかだ。川の流れはゆったりとして周辺の景色が水面にきれいに映っている。(写真中央) 通り過ぎるのを惜しむかのようにゆっくりと走った。途中、会津のマッターホルンと呼ばれる蒲生岳も眼前に見えた。前回、浅草岳登山に来たときはこの蒲生岳には登れた。(写真右)
まだ明るい4時過ぎに宿に到着。
夕食時には会津田島からまっすぐに289を走ってきたという男性と同席した。自転車ツアーのことでいろいろと盛り上がった夕食になった。会津の地酒も賞味。
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