北アルプス表銀座にある燕岳や大天井岳を望むことができる有明山。信濃富士とも呼ばれるこの山に登ってきた。北アルプスの前山になり標高も2200m余とあまり目立たない山。ただし安曇野からは常に望めて地元で有名な山だ。ここに登ってきた。
ネット上の記録を読むと「侮れない山、その急峻さにおいて初心者は決して入らないこと、、、、」と言うような言葉が並ぶ。それでも事前の想定は「それほどのこともなく楽に登れる山」との印象があった。そのつもりで登った。ところが現実は書かれていた通り、あるいはそれ以上の厳しい山だった。
山岳会OBのグループその2の毎年の企画に今年も参加した。その記録。
10月27日
前夜に各地から11人の還暦過ぎの男女が安曇野にある別荘に集まった。毎年の恒例行事だ。
この朝、紅葉が真っ盛りの狭い道を車で走ると中房温泉の手前に有明荘がある。ここが取り付きになる。登り始めるといきなりの樹林帯の急登。記録では熊笹が生い茂って藪漕ぎになると書いてあったが地元のかたの努力のおかげで道はきれいに開かれていた。ところが、すぐに見上げるような坂道にロープがたらしてある。一歩一歩が手を付いて四つん這いで登る形になる。木の枝につかまって坂道を上ることはよくあること。ところが今回は地表に露出している木の根につかまって登ることになった。幸いに土は濡れてなくそれぼどは滑らない。しっかりと手を使っていれば何なく登れる。ゆっくりと。ゆっくりと登った。
そんな急登が初めから最後まで標高差900mを登りきるまで続いた。こんなの初めてだ。急登はどの山にもある。手を使って登ることもしばしばある。それでもそれは通常は局所的なもの。この山はそれが連続する。息をつく暇もなく急登が続く。ところどころにはガレ場も。切れ経ったトラバースは緊張する。
8人のパーティーは皆60歳以上。ゆっくりと登って3時間半でピークに到着。風はないが気温は低い。生憎ガスで展望はなし。頂上では驚くべきことにソフトバンクの電波が入った。
帰途は往路をそのまま下ったが私は一足お先に二時間ほどで下って車の中で前夜の寝不足を補った。他の方々はかなりお疲れ。一時間以上遅れて下山した。
距離は短かったがその急峻さには驚いた。路面がぬれているときにはなんとも難儀するはず。クサリ場、はしご、ロープが各所に設置されているが安易にたよることには大きな危険がある。こうした道具に頼らなくとも安全に登下山できない限り登るのは控えた方がよいと思う。そんな山だった。
初心者にはおすすめできない。
全員が駐車場に戻ってから帰途に。有明荘の駐車場から宿泊するキャビンまでの20Kmはまさに紅葉のトンネル。両脇の山々は紅葉の真っ盛り。途中、何度も車を止めてカメラタイム。先月の北海道に引き続いてこんなにも素晴らしい紅葉の中に包まれて幸せだ。
夜は例によって狭いながらの楽しいリビングでの宴。今回もメンバーが調達したおいしい魚介類が食卓を賑わせた。
10月28日
ゆっくりと起きて昨夜の食材を再利用しての朝食。あとは、いつもの下條農園でリンゴを購入。ここにも何回も来た。おばあさんは相変わらずお元気そう。
その後はソバ。蛙遊庵(あゆうあん)はもともとはうどん屋。でもやっぱり信州はソバの名産地でありここではつけソバを賞味。昼過ぎには来年の再会を約して皆さんとはお別れ。
来年は唐松岳に登ることを決めて散会。来年も再会できるように、唐松岳に登れるように努力することを目標に健康管理をしてこの一年をがんばりたい。そんな集まりだった。
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